男性更年期の排尿困難

排尿困難は、尿意があってもすぐに排尿ができない、またお腹に力をいれないと出ない場合や排尿が途中で止まるような排尿障害の1つです。

排尿困難の要因としては、腎盂腎炎・膀胱炎・性病感染・尿道腫瘍・膀胱腫瘍・結石などが考えられます。
しかし、中年男性の排尿困難は更年期障害の症状の場合も多いようです。

男性更年期は個人差があり排尿に症状が出る人でない人、排尿困難が強く出る人軽い人といますが、早い方では30代の半ばくらいから排尿困難の症状が発症し、60代くらいまでの方に起こります。
主な原因は歳を重ねることに伴う、男性ホルモンの分泌量の減少で、これに加えて不規則な生活やオーバーワーク、仕事や家庭でのストレスなどが重なって、いっそう分泌量減少のスピードを速めてしまったり、ホルモンバランスが崩れて、様々な心身の不調や排尿困難をもたらすのです。

更年期障害の症状として、排尿困難が挙げられます。

男性更年期によりホルモンバランスが崩れると、排尿を促す自律神経がスムーズに働かなくなって排尿困難が生じることがあります。
これに加えて、加齢に伴う体の老化により腹圧が弱くなり、膀胱の筋肉が衰え、さらには前立腺が肥大することで、尿の通り道が細くなってしまい排尿しづらくなることがあります。
排尿困難は、排尿できないわけではありませんが、少しずつしか出せないため、排尿をしたあと膀胱に尿が残っているような残尿感を覚え、不快な症状に悩まされることもあります。

男性更年期を迎える時期は、男性ホルモン量の減少だけでなく、体の様々な部分も老化していく時期であるため、それらが相まっていっそう排尿を困難にしてしまうことがあるのです。

排尿困難の症状には、他の病気が潜んでいることがある

もっとも、男性が排尿困難を感じる症状としては、男性に起こりやすい尿道結石や尿管結石や前立腺がん、尿道狭窄症などの重篤な病気が潜んでいることもあり排尿には注意が必要です。
そのため、尿の出が悪いなと思ったら、歳のせいだからと放置せず、泌尿器科で検査を受けたり、大腸閘門外来などで閘門エコー検査を受けることをおすすめします。
排尿の検査をすることで、尿の色や量の変化でも分かりますので、排尿時に痛みや残尿感が残る方は尿の色や量もチェックしましょう。
排尿時の尿が濁っていた場合は結石や膀胱炎が、尿が赤く血尿が出た場合は、尿道や前立腺の病気のほか、腎臓や膀胱の疾患の可能性もあります。
排尿時の尿量が異常に多いときには、糖尿病や腎臓病、極端に少ないときは前立腺や腎臓疾患の疑いもあります。

排尿状態を客観的に観察する方法として尿流量測定があります

排尿時に尿の出方を連続的に測定し、その排尿パターンから異常があるかどうかを調べるもので、健康な人なら、排尿は1秒間に20～25ccの尿が一気に出て、30秒ぐらいで排尿が終わります。
ところが、前立腺肥大があると排尿に時間がかかり、量も1秒間に5ccと少なく、排尿に2～3分かかります。
そうした違いがコンピューターによってグラフ（尿量曲線）として表示されます。
この検査で排尿異常に初めて気づく人も多いようです。

便秘困難を契機に、更年期を『車の車検期』ととらえ、手入れをきちんとすれば、再び新車のように走れる体調を取り戻し排尿困難も改善できるので、早めに対策をたてることが重要です。

男性更年期検査では、遊離型テストステロンが8.5pg/ml未満なら男性ホルモンが低いと判断し、8.5pg/ml以上から11.8pg/ml未満の男性を男性ホルモンが低下傾向にあると判断され、排尿困難の原因とも考えられます。

意識してタンパク質を摂取し、適度な運動やウエイトトレーニングをし、サプリメントや食事で男性ホルモンであるテストステロンの分泌を高め排尿困難を改善しましょう。

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